絶対安全剃刀

好きなことを雑多に呟きます。

水槽出ということで手を打ちたい

補助席までぎっしり詰まったバスに揺られ、「腸詰めみたいだなぁ」とか考えたりして、少し季節が逆戻りした景色を見ていた。

 

2週間前までは名前すら知らなかった彼等が出るコンサートを私は見に来た。

 

仙台まで来た。(都民です)

 

心得はJr.チャンネルで覚えたオリジナル曲とwikiの知識(割と濃かった)のみ。初期装備ですら無いと思う。

 

そんな私の心配ごとはただ一つだった。

 

「ダイケン君って思ったらどうしよう」

 

数日前にあげた文章にあるように映画「少年たち」で松村北斗君が演じた「ダイケン」という配役に全好奇心を鷲掴みにされていた。なんで刑務所なんかに入ったのかなという穏やかなビジュアル(眼鏡!)勉学に励み、弟や祖母の面倒をみる(お弁当まで作る)彼は教師の理不尽な言動により過ちを犯し刑務所の門をくぐる。

 

全面降伏だった。2回目観た時に真面目に1人だけ3Dだった気がする。脱出の際に企てた計画は色々な意味でびっくりしたけど。あまり前面に出るキャラではなかったのに演じるダイケン君も歌い踊るダイケン君も脳内にぐいぐい入ってきたのだ。もう一回やっていたら絶対観た。3回観たら下手な薬よりキマリそうだ。

 

幾ら即日発送を謳っていても夜中にAmazonは来ない。奇妙な飢餓感に襲われて風呂もそこそこに観たpvが「JAPONICA STYLE」だった。

 

さっきまで囚人服を着ていた彼等はスタイリッシュな衣装を身に纏い踊っていた。歌がとんでもなく上手い。個々のモチーフは刀だったり扇子だったり紅だったりするのに何故か北斗君は水槽の中に手を入れて水を弾いていた。意図する事が皆目分からないけどその顔も手も信じられない位で綺麗でダンスの「動」と対になる「寂」を感じて何度も何度もそこを観た。実際は「なぜ水槽に手を?」という疑問符が渦巻いていたのだけどやはり目の前の美しさにそれは散った。私の悩みなどこのスーパー綺麗な顔の前には消し飛ぶのだ。

 

なんだこれ。

 

とんでもなくカッコいいではないか。

 

繰り返し繰り返し観た。70本以上の動画の中で彼等は艶やかに踊り雄を撒き散らし、かと思えばパァァと全力でふざける。ホットケーキも焼く。寝起きドッキリもやる。すっぴんも見放題。楽園か。

 

とにかく情報量が多過ぎる。見ても見ても動画はあって雑誌もバカスカ届いてこの週トータルで10時間寝ていなかった。年不相応な新規ハイ。

 

現場行きたい。生で観たいぞこの6人。

 

真っ先に浮かんだのはそれで同時にJr.界隈のチケ困難ぶりも聞いていたので項垂れる。そもそも次の現場って何処なんだとダメ元で検索する。

 

仙台で数日後にあった。わぁ近い。

 

奇跡が起こり、まだ砂つぶ程もSixTONESについて呟いていない私に女神様が微笑んだ。一生感謝する。

 

念願の北斗君の団扇を買い、メンカラーが黒の場合のペンライトとは…?と悩み(白だった)席に着く。5年ぶりの会場。あれも日帰り。仙台は発作的にくる会場なのかも知れない。

 

唯一のスキルは、特効に関しては免疫があるだろう、セトリもKAT-TUNの曲が多いのは聞いていたので知らない曲ばかりという事という事。極小。

 

後者に関しては自分がどういう風に受け止めるのかと心配もしていた。結論から言うと全くの杞憂で何の懸念も無く楽しめた。彼ら6人の声で繰り出す曲は同じ曲であるのだけど全く違うそれで、「ここは誰々のフレーズ」みたいな感傷もなかった。

 

特効に関しては大量の花吹雪。それは全く管轄外。素直にびっくり。ボーボー噴き上げていた。

 

内容に関しては大阪公演もあるので割愛する。カッコいいとえっちと本気でやるバカバカしさの振り幅。四方八方から降り注ぐトーク。樹君の受け止め力半端ない。お兄ちゃんもそうだったな…

 

あと北斗君わりとトークが強め。「『ありがとう』は一回でいいです黙りなさい」

「え?怖い?じゃあお帰り下さい」

 

すっきりした顔で言うから困る。それ以外の言葉も独特の間で刺さる。このタイプに弱いとみた。「〇〇なのに△△」の集合体。かわいい。

 

後半の衣装で眼鏡にスーツのがあって本気で目が潰れるかと思った位素敵で、唖然とステージを見ていたら歌い始めた曲が

 

「YOU」

 

泣く。

ズボンのポケットに手を入れてしゃんと背筋を伸ばして歌う北斗君は世界一かっこいい23歳だった。

 

もう駄目だ。

このグループが好きだ。彼等の声をずっとずっと聞いていたい。これからどんな道を進むのか見ていたい。存分に課金させてくれ。

 

まぁ錯乱した感傷はMr.ズドン先生に全て持っていかれましたけど。あれ位百聞は一見にしかずの曲ないと思う。

 

夢の様な2時間弱が過ぎた。女神様に「本当に楽しかったです!!!」と御礼を言って会場を後にする。

 

まだ桜が咲いていた。私事で消し去りたい悲しい事が続いたこの春は決して失いたくない春に変わった。Jr.界隈は何一つ知らない事だらけで(でも迷惑は掛けたくないから勉強するし)チケットも取れないだろう(やらないと分からないし)そもそもお前さんは幾つだよ(リミットあるなら逆に楽しみたいし)賑やかな1人尋問は続く。カートに入れる商品の手が止まらないし、レポを漁るのも止まらない。仕事中に絶対発動しない千手観音である。

 

人の気配が消えた。考え事をして歩いた道はバスの待つ場所ではなく冗談みたいに広い場所だった。迷ったな、と顔を上げた目の前にある建物は

 

「ひとめぼれスタジアム」

 

うまい。でも絶対全然違う場所だねここ。

 

必死にバス乗り場を探し、同じくお一人様の女の子と話が弾み牛タンを食して帰路に着いた。それから10日間。未だ夢心地だし通販がやってくる回数も書棚の圧迫も止まらない。公式写真が欲しくて名古屋まで行った。2週連続の新幹線。これ打ってる最中にオンラインショップの話聞いて笑ってるけど。

 

ダイケン君からのpv、コンサートという流れが自分ではとても気に入っている。「なにこれ」の連続で検索すればするほど未知のエピソードがあって6人がもっと好きになる。この「知りたい」と思わせる吸引力が彼等は桁違いで、本当にまだデビューしていないのかと心底疑問に思う。

 

pvで北斗君は何回か水槽に手を入れる。最初は物憂げに水に触れて、後半は勢いよく水を弾く。とんでもなくカッコいいけど込められた意味…覗き込んだパッションが溢れ出す経緯と勝手に解釈している。私は水槽出だ。好奇心からの困惑からの感嘆。元号が変わる前にスイッチが切り替わった事に、またそう思わせてくれるグループに出会えた事に感謝しかない。

 

SixTONESの皆さん。結成4周年おめでとうございます!大阪公演頑張って下さい。末端から応援しています。